月号

■ 田んぼの生きものたちが危ない! 
日本の原風景と言われている田んぼは、2000年以上に渡って、私たちの命を
つなぐお米を作ってきました。それと同時に、トンボ・カエル・ホタル・ドジョウなど
さまざまな生きものを育んできました。しかし、地球温暖化や水質汚染等の
環境悪化の影響で、昔は田んぼに普通にいたコウノトリやトキは絶滅し、
タガメ・タニシなどはなかなか見ることができなくなってしまいました。

 

● 「田んぼの生きもの調査」は環境変化のバロメーター 
そんな田んぼのじょうたいを把握できるのが、「田んぼの生きもの調査」。
これは、文字通り田んぼにいる生きものを調査することで、
”生物多様性”(※1)の豊かさを評価できるものです。
JA全農、生協、環境NPO、自然保護団体等が任意団体として
取り組みを進めています。調整方法には様々あり、指標となる生きものの
存在を確認する方法、その生きものがその田んぼの中に何匹いるか
測定する方法などがあります。

※生物多様性とは?
・多様な生物が存在し、それぞれが個性を持ち、同時につながりを持つこと。
・生きものの賑わい。

 生きもの調査の広がり 
この調査は、平成17年度から普及・推進され、小学校の総合学習では
食農教育として、行政が進める地域政策では共同活動の一つとして、
消費者と農家の交流では産直イベントとして取り組まれています。
生物や農業に関する専門的な調査ではなく、大人も子供も
誰にでも参加できるので、地域の活性化にもつながっていて、
調査地・参加者は年々増え続け、19年度の調査地は約100箇所、
参加者もトータルで8,000人を越えています。
また、JAグループでは、生きもの観察などの食農教育をメインとした
イベントを含めると、全体の約1割のJAが取り組みに参加しています。

 やさしい農号で環境保全 
「田んぼの生きもの調査」の結果から、どうすれば生きものが豊富に存在し、
生きられるか、どんな農業が環境に優しいのかも自ずとわかってきます。
近年は、安全・安心への願いに応えるため、土づくりを通じて
化学肥料・農薬の使用量を減らしたり、農業用資材をリサイクルすることで
環境への負荷を減らしたりすることによって、将来に持続できる
農業を進めていこうという「環境保全型農業」への農家の間への
関心が高まっていて、全国の販売農家の約5割が取り組んでいます。
JAグループにおいても、環境保全型農業による生産の拡大を図っている
JAは全国で5割以上もあります。食料生産と環境保全を両立する農業にこそ、
日本農業の将来像を見出すことができるといえます。

 生きものが賑やかに生きている田んぼをつくる 
美しい農村地域の水辺は、古くから農の営みの中で形づくられ、
多くの生きものたちが生息する農村の自然環境の重要な空間になっています。
そこに生息する生きものに支えられて、
私たちの命の源となる農産物は生まれています。
環境との調和に配慮した農業農村整備をきちんと進めていくためには、
「生きもの調査」のような水田周辺の生きものの生息状況を把握し、
これらを保全することの必要性を広く呼びかけていくことが重要です。
実際に田んぼの中を覗いてみれば、もっと生きものを守り、
環境を保全する大切さを実感できるでしょう。

JAグループでは、環境に配慮した豊かな地域社会を築くために、
これからも環境にやさしい農業を推進していきます。

●田んぼの生きもの調査について、もっとお知りになりたい方は。
http://tanbonoikimono.boxerblog.com