税務研修室
− Tax Seminor −

税理士 鷹野 保雄

相続税 基礎の基礎−1』
遺産額と基礎控除

相続税とは?
 相続税は、文字どおりお亡くなりになった故人(被相続人といいます)の遺産を相続された方(相続人といいます)に課税される税金です。
 相続税は「申告納税方式」をとっており、遺産を相続した相続人が自分で相続財産の価格、これにかかる税額を計算し、納税することになっています。それでは、どれだけの相続財産があると相続税の申告をしなければならないのか、解説しましょう。

正味の遺産額が相続税の基礎控除を超えると相続税がかかる
 図1をご覧下さい。正味の遺産額とは、相続人が相続するすべての遺産から、借入金などの債務、葬式費用、非課税財産を差し引いた残りの遺産額をいいます。

@遺産総額のポイント
 遺産の金額を決定するには、財産の種類に応じて定められている評価方法によって行います。この評価額を「相続税評価額」といいます。例えば、土地については路線価に準拠した価格や固定資産税評価額に所定の倍率をかけたものを基礎に算出されます。
A債務のポイント
被相続人の借入金のみでなく、各種税金の未納金や公共料金の未納金等も、相続する債務に含まれます。
B葬式費用のポイント
通夜・葬式の費用で、戒名代、志などの費用も含みます。ただし、初七日以後の法事代は該当しません。また、香典返しの費用も、香典が非課税の収入であることから、葬式費用には含まれません。
C非課税財産のポイント
仏壇仏具や、墓地墓石等、国や地方公共団体などに寄付した財産等は相続税がかかりません。ただし、相
続人が購入した墓地墓石は除外されます。ということは、墓地や墓石は生前に準備するに限るということです。

基礎控除の金額はどう計算する?

 基礎控除の金額は5,000万円+1,000万円×法定相続人数です。法定相続人とは、民法の規定による ところですが、実子がいる場合は養子の数は一人だけ(実子がいない場合は二人まで)、相続放棄をした人の 数も含める等、注意点もあります。正味の財産が基礎控除額以下であれば相続税はかかりません。また、実 際に相続税が課税されるのは、基礎控除を差し引いた残額だけです。とみると、養子縁組は相続税節税の即効薬といえるでしょう。

=なお、上記の内容は2000/5/1現在の税法などに基づいて記述しています。=

『ほほえみだより2000年5月号掲載』