税務研修室
− Tax Seminor −

税理士 鷹野 保雄

『相続税 基礎の基礎-2』
相続税申告までのスケジュール

相続開始から申告までのスケジュール
 相続は、肉親の死亡から開始し、葬儀、法要、所得税の準確定申告、遺産分割、申告と、立て続けに行事が続くことから、申告期限までの期間は、意外に短く感じられるものです。申告の準備は、できるだけ早い時期に、相続人全員が協力し合い円滑に進めることが必要になってきます。事前に遺言書を作成し、遺産分割に関する争いを未然に防ぐことも円滑な相続に対する有効な対策になってきます。遺言の作成につきましては後日改めて解説いたしましょう。
 それでは、次の図により、相続開始から順を追って申告までの流れを見てまいります。

遺言書があった場合の注意点
 遺言書を発見した場合には、まず、その遺言書の種類を確認します。遺言公正証書によるもの以外の場合は、この遺言書を決して開封してはいけません。自筆証書・秘密証書(遺言の種類については後日詳述します)による場合は、家庭裁判所の検認(家庭裁判所が開封し、遺言の真偽を確かめる)を経なければ無効になりますので、遺言書を発見した場合はまずは専門家にご相談されることをお勧めします。

相続の放棄又は限定承認
 相続人は、相続開始の時から、被相続人(故人)の財産上の一切の権利義務を当然に承継するのですが、相続を放棄したり、相続により得た範囲内で債務を引き受ける限定承認を行うことができます。いずれも相続の開始を知ったときから三か月以内に家庭裁判所において、相続放棄又は限定承認の申述が必要になります。
 被相続人が債務超過である場合などには検討する必要が出てきますが、次に掲げる場合には、原則として一切の権利義務を承継する=(イコール)単純承認したこととみなされますので、十分注意が必要です。
  @相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき
  A相続人が三か月以内に放棄又は限定承認をしないとき
  B相続人が放棄又は限定承認をした後でも、相続財産の全部又は一部を隠したり消費したりしたとき

=なお、上記の内容は2000/6/1現在の税法などに基づいて記述しています。=

『ほほえみだより2000年6月号掲載』