|
事業承継とは?
前回まで、真の相続税対策として、「円満な分割」・「無理のない納税」についてみてきましたが、今回は最後のキ−ワ−ド「事業承継対策」について、考えていくことにしましょう。
みなさんの中には、農業を経営するかたわら、土地を有効活用するために、不動産の賃貸を行っている方もいるでしょう。また、ほかに事業を行い、会社を経営している方もいるかもしれません。
事業承継は、このような事業用不動産あるいは、その経営している会社の株式をいかに少ない税負担で後継者に引継ぎ、その後のご家族の生活を守るか・・・まさに真の相続対策を実現するための最後の対策といえましょう。
そしてこれを実現させるためには、相続税と贈与税、所得税,法人税のト−タルの税負担をいかに抑えるかという観点で進めなければなりません。実効性のある事業承継には、綿密な計画と時間をかけた対策を実行していくことが肝心なのです。
まずは、現状を知ることが大切!
正しい対策を講じていくためには、まずはご自身をよく知ることが大切です。病気も、どんな病気にかかっているのか分からなければ治療のしようがありません。事業承継対策もいっしょです。
まずは、ご自身が今後財産の活用・承継をどのように考えているか、そして、現在財産が法律面、税務面から見てどのような状況にあるのかを、正しく理解しなければなりません。土地について、ご自身がまったく考えてもいなかった権利(例えば借地権など)が個人から法人に移転していることもあるのです。
さて、詳しい内容は、今後皆さんと一緒に考えていくことにしまして、不動産賃貸業を例に基本的なところからお話することにしましょう。
個人経営か法人経営か?
Aさんは、現在利用していない土地にマンションを建築し、不動産賃貸業を始めることにしました。
さて、将来息子さんに事業を承継していくうえで、個人で建物を建てて、個人事業として行っていけばいいのか、法人をつくって会社形態で行っていけばいいのか、どちらが有利でしょうか・・・?
これは、なかなか難しい問題です。なぜなら、先ほども述べましたように、相続税・贈与税、そして所得税、法人税のト−タルの税負担を考えたうえで、判断しなければならないからです。ただし、一般的には、ある程度の収入が見込まれる場合には、法人形態が有利なケ−スが多いようです。Aさんと法人で所得の分散も図れますし、息子さんや奥さんに給与を支払うことにより、さらに所得の分散が図れるからです。
また、息子さんに事業を継がせるときのことを考えますと、会社形態であれば、株式として分割して譲渡や贈与ができ、個人が単に不動産として所有している場合に比べ、相続税対策がしやすいという利点もあります。
さて、次回からは事業承継対策について、具体的事例を挙げ、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
|