税務研修室
- Tax seminor -

税理士 鷹野 保雄

『固定資産税 税務のちょっとしたポイント-2』
固定資産税はなぜあがる?

 平成14年度固定資産課税台帳が、各市町村で3月20日まで、関係者の縦覧に供されました。これは、固定資産税の計算の基礎となる固定資産税評価額や課税標準が記載されているもので、土地建物の所有者は、固定資産税の納税通知書が届く前に、ご自分の土地の評価額・固定資産税について確認できるようになっています。今回は、皆様にもっとも身近な、この固定資産税についてお話したいと思います。

上がり続ける固定資産税
 「バブル崩壊以来、土地の値段はこんなに下がっているのに、どうして固定資産税は下がらないの?」そんな声をよく耳にします。
 「いや、下がるどころか、毎年増え続けている!」そんな方もおられることでしょう・・・  
 これは、固定資産税の制度そのものに原因があるのです。

評価割合の引き上げ
 平成6年度の固定資産税課税から、固定資産税評価額が公示価額の70%に引き上げられました。
 それまでは地域により格差はありましたが、時価の20%程度が固定資産税評価額とされていましたので、実質的に評価額が3倍程度に増額されたことになります。 
 当時、欧米など諸外国に比べ、日本の不動産に対する保有税である固定資産税・都市計画税は低いとされていました。地方分権が進んでいる欧米では、地方税収の相当部分を保有税で賄っており、土地の保有税については土地の時価に対して毎年1%程度の税金が徴収されていたのです。 
 固定資産税・都市計画税については、このような国際的な水準に照らし見直しが行われました。当時はここまで経済情勢が悪化し、土地の価額が下落するとは予想もできなかったのでしょう・・・

下がり続ける土地の時価
 ところが、現在のように、土地の時価が下がり続けますと、公示価額の下落が時価の下落に追いつかないうえ、固定資産税評価額は公示価額の70%に引き上げられたことにより固定資産税の負担が重くなりすぎてしまう・・・まして、このような経済情勢で固定資産税を大幅にあげることはできない・・・。
 という考えから、現在は一時的に課税標準を調整することにより固定資産税の増額を抑えているのです。

〔固定資産税のしくみ〕

今後も増えるの?
 さてそれでは、今後も固定資産税は増加し続けるのでしょうか?
現在、小泉内閣において、土地・建物にかかる税体系も含め、抜本的な税制の見直しが行われています。このような情勢の中、現時点での判断は難しいところですが、現在の固定資産税の制度が抜本的に変わらない限りは、固定資産税は増え続ける傾向にあると思われます。課税標準をより評価額に近づけることが、本来の考え方だからです。
 ただし、しばらくは現在のように負担調整が行われるでしょうから、大幅な増税になることは考えにくいと思われます。

=なお、上記の内容は2002/3/1現在の税法などに基づいて記述しています。=

『ほほえみだより20002年3月号掲載』