税務研修室
− Tax Seminor −

税理士 鷹野 保雄

『税務Q&A 具体的な相続対策-10』
生命共済の上手な利用方法(その2)

 前々回、相続における生命共済の上手な利用方法についてお話しました。今回はその続きとして、高齢者やご病気の方でも有効に利用できる生命共済についてお話しましょう。

年齢制限により生命共済は入れない?
 「私は今年で83歳。この年齢では入りたくても入れる生命共済はないんですよ・・・」
 「私はまだ60歳なんですが、心臓を患っているので加入できる共済はほとんどありません・・・」
 皆様もこのような声をよく耳にすると思います。しかし、このような方でも、共済の有効な利用方法があるのです!共済なのに、預金よりも有効にお金を貯めることや、相続税を大幅に軽減することも可能なのです!

「えっ?それでは、83歳の私でも共済に加入できるの?」
 被共済者の年齢制限は75歳となっていますので、ご自身を被共済者として生命共済に加入することはできません。しかし、貯蓄性や相続税の観点からは、何もご自身が被共済者になる必要はないのです!
 例えば、お孫さんを被共済者として、契約者つまり掛金負担者をご自身とした生命共済に加入するのです。貯蓄性のある養老生命共済などは特にお勧めです。

「孫は若いし、健康なのに、共済なんて・・・」
 当然お孫様の万が一のために加入するわけではありません。目的は相続税の大幅な減額と定期預金よりもいい実質利回りのためなのです!

『具体例』

     
・養老生命共済期間 10年 ・共済金額 1億円
・被共済者 20歳の孫 ・満期共済金 1億円
・共済掛金負担者  83歳本人 ・前納共済掛金 9111万円 
(年払掛金952万円)

 このような契約に加入し、6年目に本人が相続で亡くなったとしましょう。
 もし、この共済に加入せず掛金相当額を定期貯金で持っていた場合には、相続税評価額は9430万円(6年分の利息込み)と額面どおりの評価になってしまいますが、共済の場合には、払込掛金の約70%相当額で評価されますので、7540万円の評価額となり、相続税が50%かかる方の場合、940万円も税額が安くなります。しかも、相続発生後この共済をすぐに解約しても、解約返戻金として9440万円を手にすることができるのです。9440万円の価値のあるものが、共済という形に資産を組み替えたために7540万円の評価額で済んでしまうのです!

 定期貯金に預けたまま、相続をむかえるのと、共済に形を変え相続をむかえるのではこのように手取額が1千万円近くも変わってしまうことがあるのです。
 皆様も、ご自身のプランにあった共済を有効に活用し、財産を守っていきましょう。
 ただし、共済は契約する年齢や掛金、契約形態により必ずしもここで紹介したとおり効果が出るとは限りま
せん。詳しくはJA田中の企画相談部にて個別にご相談ください。

=なお、上記の内容は2002/9/1現在の税法などに基づいて記述しています。=

『ほほえみだより20002年9月号掲載』