税務研修室
− Tax Seminor −

税理士 鷹野 保雄

『相続税 基礎からのステップ』
これからの相続対策

あなたの土地は資産ですか?
 「資産って・・・私が所有している土地は先祖から引き継いだ大切な資産ですよ!」
 「そう、先祖から引き継いだ大切な資産ですからこれからも代々守っていかなければならない大切なものです。」
 「でも最近、相続の話を聞くと、相続税を払うため先祖代々の土地を手放さなければならないみたいで、うちも相続がおきたらとても現金じゃ払えそうもないな・・・」
 このように心配されている方は多いのではないでしょうか?そして、実際相続を向かえ、土地を手放さずに相続税が払える方は全体の10%にも満たないのも事実です。
 先祖から引き継いだ大切な土地を守るためにも「土地」というものの価値を今一度見直す時代に来ているのです。

「土地」の価値減り続ける人口
 日本の総人口は、2005年の1億2768万人をピークに、それ以降次第に減少していき、2050年には1億50万人になると予想されています。人口が減少すれば宅地や住宅に対する需要が必然的に減少していきます。また少子化によって一人っ子が増えていますが、一人っ子は親の家をそのまま相続するので、一人っ子同士の結婚により住宅が余ってくることも考えられます。
 このような要因から、少子高齢化が進む人口減少社会では地価下落傾向がこれからも続いていくことが予想されるのです。

下がり続ける地価
 地価は産業活動にも大きく影響されます。景気が良い時には地価は上がり、悪いときには下がるのが一般的ですが、今の日本では景気が回復しても地価は上がりにくいと考えられています。それは企業が製造拠点を人件費の安い中国や東南アジアに移しているためで、この傾向が続く限り国内では新たな工場用地への需要が減少していくことは避けられません。

上がり続ける固定資産税
 固定資産税は地価の下落にもかかわらず上昇しつづけています。バブル期の1988年と比べても、全国の固定資産税収の総額は1999年で約1.85倍となっているのです。
 理由は、固定資産税評価額を実勢価格に近づける措置が1994年に導入されましたが、急激な上昇を緩和する目的で「負担調整措置」が行われているためです。このため現在も、地価が下がり続けているにもかかわらず固定資産税の上昇は止まっていません。
 例えば東京の中心部では、土地の価格はバブル期の10分の1に下がったにもかかわらず、固定資産税は2倍になっているケースもあります。

厳しい現状を把握することが大切!
 さてこのように、現在における「土地」というものの価値を考えてみても、非常に厳しい環境にあるといわざるを得ません。ですが、この厳しい時代でも、この時代にあった対処の仕方があるのです!

今月のポイント

・「土地」というものの価値を今一度見直す。
  減り続ける人口
  下がり続ける地価
  上がり続ける固定資産税
・厳しい現状を把握したうえで対処する!

 次回はその具体的方法についてお話しましょう。

=なお、上記の内容は2002/10/1現在の税法などに基づいて記述しています。=

『ほほえみだより20002年10月号掲載』