税務研修室
− Tax Seminor −

税理士 鷹野 保雄

『相続税 基礎からのステップ』
すべての土地は資産ではない!
これからの相続対策A

土地というものの価値
 前回は、土地というものの価値を今一度見直しましょう!ということで、人口の減少・地価の下落・固定資産税の負担増など、現在の厳しい環境についてお話しました。
 今回は、この厳しい時代にどう対処したらよいのか・・・お話したいと思います。

すべての土地が資産ではない!
 これからの時代、あなたの大切な資産を守っていくためには、「すべての土地が資産ではない・・・」このことに気づかなければならないでしょう。いやむしろ、土地によっては、所有しているだけで、借金をしているのと変わらないこともあるのです!

すべての土地が資産であった時代
 バブルが崩壊する平成2年以前は、どんな土地でも持っているだけで値段が上がり続けました。使い道のない、収入のまったくあがらない空き地でも購入し、売却すれば儲かる・・・そんな時代が続いたのです。土地の価格の上昇は、相続税や固定資産税を払っても余りあるほどで、どんな土地でも最高の資産でした。
 その後バブルが崩壊してからは、土地の値段は下がり続け、12年たった今でもほとんどの土地は下がり続けています・・・。
 このように、土地そのものの価値が下がった現在では、その土地から十分な収入を確保しなければ、あなたの財産を守っていくことはできません。収入のない土地はあなたの財産を減らしていくだけなのです・・・。収入のない土地が、どれだけあなたの生活の負担になっているかを考えてみることにしましょう。

収入のない土地は借金のもと?
 一反の市街化区域の空き地があるとします。雑種地評価であることから、固定資産税も宅地並みに高く年間約60万円かかります。路線価は7万円ついているので、相続税評価額は7000万円。この人は他にも財産があるので、相続税の実効税率が30%となり、この土地に対する税額だけでも2100万円の相続税が課税されてしまいます。これを延納により納付するとなると、最長の20年返済、2%の最低金利で考えてみても、年間約130万円の返済が必要になるのです。つまり、この空き地を次の世代に残すためには、毎年190万円の借金を20年間、国に返済することにより、始めて守ることができるのです!

収益構造を造ることが大切!
 収入を生まない土地が、どれだけ負担になっているか、お分かりいただけたと思います。しかし、すべての土地から収入を上げることは現実的には不可能です。自宅や作業場など、生活に必要な土地もあるからです。このような資産をまもるためには、その負担を背負っても余りある、収益力のある資産を持つことが必要なのです。そのためにはまず、あなたの土地・その他の資産がどのような構成になっているか、分析する必要があります。その上で、今の時代にあった収益構造を生むための資産構成を考えなければならないのです。

今月のポイント

・すべての土地が「資産」であった時代は終わりました。
・相続税がかかる人にとって、収入のない土地は借金にすぎません。
・土地を維持するためには、将来にわたり収益構造を造ることが大切です。

 次回は、その具体的な分類方法、収益構造についてお話したいと思います。

=なお、上記の内容は2002/11/1現在の税法などに基づいて記述しています。=

『ほほえみだより20002年11月号掲載』