税務研修室
− Tax Seminor −

税理士 鷹野 保雄

『相続税 基礎からのステップ』
収益を生むための資産構成 〜その1〜
これからの相続対策B

 前回は、収入のあがらない土地がどれだけあなたの生活を圧迫しているか、また、これからの厳しい時代に資産を守るためには、収益を生むための資産構成をいかに創り上げることが大切かをお話しました。今回は、その収益を生むための資産構造について具体的に分析し、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

昔から変わらない日本人の資産構成
 日本人の平均的な資産構成は昔からあまり変わらず、大部分が不動産で占めているのが現状です(全体のほぼ3/4)。これに対し、金融資産(現預金・有価証券など)は、全体の1/5程度しかありません。
 いかに日本が不動産の価値に頼った社会であるか、おわかりいただけると思います。経済不況がここまで続いているのも、不動産の価格の低迷が大きく影響しているからでしょう。
 このような状況では、相続税は金融資産で納税することができませんから、物納などにより結局先祖から引き継いだ土地を失うことになるのです。

不動産の見直し
 それでは、どうすればよいのでしょうか?資産構成の大部分が不動産によって占められているわけですから、この不動産を分析し、資産構成を見直すことが一番の早道でしょう。

地価の四極化時代
 現在土地は大きく4通りに分類することができます。ここでまず皆さんの所有している土地がこの分類のうち、どれにあたるのか分けてみてください。
 @強気売買相場
  都心の商業地、高級住宅地がこれにあたります。これらはこの不況下でも近年土地の価格は上昇し、収
  入も十分です。ただし、全国の土地の1%程度しか存在しません。
 A横ばい安定相場
  主要駅前の商業地や住宅地などがこれにあたります。具体的には、柏駅前近辺や大型店舗が集約する
  区画整理地などがあげられます。全国の土地の約6%程度存在します。
 B弱含み相場
  郊外商業地、バス便住宅地などがこれにあたります。これらは不況下の今日、地価は下がり続け、有効
  活用も非常に難しい状況になっています。全国の土地の約75%にも及びます。
 C底割れ相場
 @〜Bのいずれにも当てはまらない土地がこれにあたります。具体的には無道路地やがけ地、調整区域の未利用地などがあげられます。これらは処分したくても買取先が見つからないものが多く、所有しているだけで、負担になるようなものです。全国の約18%程度、見受けられます。

 さて、ご自身の土地について分類はできましたでしょうか?ほとんどの方がBの弱含み相場に該当してしまうのではないでしょうか・・・

    地価相場は四極化
@強気売買相場
 超一等商業地・優良住宅地 → 売り手主導・値上げ傾向
1%
A横ばい安定相場
 準一等商業地・準主要駅徒歩圏住宅地 → 地価横ばい
6%
B弱含み相場
 郊外商業地・バス便住宅地 → 地価下落止まらない
75%
C底割れ相場
 上記以外の商業地・住宅地、他 → 土地価格付かない
18%

 次回はこの分類に従い、どのように資産構成を見直していかなければならないのか、その具体的方法についてお話したいと思います。

=なお、上記の内容は2002/12/1現在の税法などに基づいて記述しています。=

『ほほえみだより20002年12月号掲載』