税務研修室
− Tax Seminor −

税理士 鷹野 保雄

『相続税の物納を考える』
私道(通り抜け道・専用私道等)の物納
物納事例〜そのB〜

私道を物納することはできるの?
事例その3

 相続した宅地の物納を考えていますが、この宅地は公道から少し離れていることから、その宅地まで私道を利用しています。この場合、この私道と宅地を一緒に物納することができますか?
 また、私道のみの物納はできますか?

回答
 原則として、私道のみの物納は認められませんが、他の土地(宅地など)と一体として利用されている私道が、その土地とともに物納申請された場合には、私道と他の土地とを一体として物納が認められる場合があります。
 ただし、道路としての認定がされている場合には、原則として、その土地(道路)の物納は認められません。

その私道が宅地と一体として利用されているかがポイント!
 私道の物納については、私道の態様によって、その取り扱いが異なっています。宅地に付随する私道をその宅地とともに物納申請した場合には、その私道がその地域における土地取引の状況を基に判断して、通常、宅地に付随する程度のものと判断できる場合においては、その宅地と私道を一体のものとして管理・処分の適否を判断し、物納可能かが決まります。ただし、その私道に他の地主の通行権などが設定されている場合や通行権の約定がある場合には、物納が認められないケースもありますので、注意が必要です。

【例1】不特定多数の者が利用している「通り抜け道」の場合
このように、不特定多数の者が利用している「通り抜け道」の場合、まず、
@「通り抜け道」のみの物納は認められません。
A「通り抜け道」と「甲地」の両方が物納申請財産の場合は、「通り抜け道」と「甲地」が一体のものとして、認められる場合があります。
B「甲地」のみの物納も認められます。この場合、道路の通行承諾書を要する場合があります。

【解説】
 @不特定多数の者が通行する、いわゆる「通り抜け道」のみを物納した場合には、その私道を国が単独で利用・処分することが困難なことから、物納は認められません。このような私道は。私有物として勝手な処分ができないことから相続税の課税上、評価しないこととされています。
 A一般に、私道に面している土地を物納する場合は、私道の通行承諾が必要となります。「甲地」のみを物納する場合においても、通行承諾を要する場合があります。

 次回は、特定の者が利用している私道の物納・位置指定道路の場合の物納について、お話したいと思います。

=なお、上記の内容は2003/9/1現在の税法などに基づいて記述しています。=

『ほほえみだより20003年9月号掲載』