税務研修室
− Tax Seminor −

税理士 鷹野 保雄

『相続税の物納を考える』
物納にあてることができる財産とは?
物納事例〜そのC〜

もともとの自分の財産は物納できるの?
質問その1

 先日、母が亡くなりましたのでが、相続税の納税にあたり、母から相続した財産ではなく私自身が以前から所有している土地を物納にあてたいと考えています。このような物納方法は認められるのでしょうか?
回答その1
 物納にあてることができる財産は、相続等により取得した一定の相続財産に限られているため、納税者自身が相続以前から所有している財産(固有財産)による物納財産は認められません。

物納にあてることができる財産とは?
 物納にあてることができる財産とは、納税者の相続税の課税価格計算の基礎となった財産及び相続財産により取得した財産に限られています。ですから、納税者固有の財産及び兄弟など他の相続人が取得した財産はその相続人の相続税の計算の基礎となる財産ではありませんので、物納することが認められません。

母から生前に贈与を受けた財産の物納
質問その2

 それでは、母より生前に贈与を受けた財産についてはどうでしょうか?過去においては母の財産といえますが、現在は相続人名義となっている財産です。このような財産は相続人固有の財産となり、物納にあてることはできないのでしょうか?
回答その2
 母から生前に贈与を受けた財産が相続税の課税価格に加算された場合には、その財産は「課税価格計算の基礎となった財産」に含まれますので物納にあてることができます。
 つまり、生前贈与を受けた財産のうち、相続開始前3年以内に贈与を受けた財産(相続時精算課税制度の適用を受けた財産は除く)に限っては、他の物納の要件を満たす限り、その財産は認められることとなります。

〜物納申請の可否〜

相続開始

物納申請

 

←    3  年    →

   
 

相続財産

⇒ ⇒ ⇒

 

3年以内贈与財産
(精算課税制度を除く)

⇒ ⇒ ⇒

3年超贈与財産

⇒    ⇒    ⇒

⇒ ⇒ ⇒

×

 

 

⇒ ⇒ ⇒

×

=なお、上記の内容は2003/10/1現在の税法などに基づいて記述しています。=

『ほほえみだより20003年10月号掲載』