税務研修室
− Tax Seminor −

税理士 鷹野 保雄

『相続税の物納を考える』
私道(専用私道・位置指定道路)の物納−続編
物納事例〜そのD〜

私道を物納することはできるの?
 前々回、私道の物納についてお話しました。私道の物納は原則として、それのみの物納は認められません。しかし、他の土地(宅地等)と一体として利用されている私道が、その土地とともに物納申請された場合には、認められるケースがあります。
 前々回はこれらのうち、〔例1〕不特定多数の者が利用している「通り抜け道路」の場合についてお話しました。
 今回は専用私道(特定の者が利用している道路)の場合と、位置指定道路の場合についてお話したいと思います。
【例2】専用私道(特定の者が利用している道路)の場合
@「甲地のみ」又は「専用私道のみ」の物納は認められません。
A「甲地と専用私道」が一体として物納申請された場合には、「甲地と専用私道」が一体で物納が認められます。
解説
 特定の宅地の「専用私道」については、宅地部分と私道部分が一体として初めて効用を有すると認められるものであることから、無道路地となる宅地部分(甲地)のみ又は単独で利用価値を有さない私道部分のみの物納は認められません。

【例3】位置指定道路の場合
@私道については、「乙地」に通常付随する程度のものであれば、「乙地」と一体として物納が認められます。
A私道のみの物納は認められません。
B「乙地」のみの物納は認められます。この場合、私道との境界線に関する確認書が必要です。
位置指定道路とは?
 建築物の敷地は原則として建築基準法上の道路に2m以上接していなければならないとして、一定の接道義務を課しています。例えば、開発業者が建築基準法上の道路がない未開発地や大きな敷地を細分化して利用しようとする場合には、新たに道路を敷設する必要がありますが、この場合、道路の幅員は4m以上とし、かつ、特定行政庁(市町村長又は都道府県知事)の道路位置指定を受けなければなりません。
 このように道路法、都市計画法等によらないで敷設し、かつ、一定の基準に適合する道路で、特定行政庁の道路位置指定を受けた道路を「位置指定道路」といいます。

例2のような、位置指定を受けていない専用の私道では、法的な拘束がないので「甲地」のみの物納は認められません(この私道が塞がれたら無道路地です)が、例3のように、位置指定道路に面している乙地の場合には、行政庁による監督を受けているので無道路地の心配がないため、乙地のみの物納が可能となるのです。

=なお、上記の内容は2003/11/1現在の税法などに基づいて記述しています。=

『ほほえみだより20003年11月号掲載』