税務研修室
− Tax Seminor −

税理士 西村 敦正

『贈与税の申告が変わります!』
平成15年分確定申告について
平成15年分確定申告のポイント

 今年も確定申告の時期がやってきました!皆様も1年分の資料整理に、頭を悩ましていることでしょう・・・今年は税務署も日曜日(2月22日、29日に限りますが)に税務相談や申告の受付に応じるなど、確定申告に対する意気込みが一段と高まっているようです。また、「相続時精算課税制度」や「新証券税制」など、本年(平成15年分)から新たに創設された項目もあり、申告には十分な注意が必要です。
 今月はこれらのうち、「相続時精算課税制度」を含む贈与税の申告を中心にお話したいと思います。

贈与税の税率が変わりました!
 贈与税について一番大きな改正は、なんといっても税率が見直されたことでしょう。平成14年度は最高70%まで合った税率が平成15年分から50%に引き下げられました。また、累進税率の段階も簡素化され、9段階の区分から、6段階の区分に変更されました。つまり、今までは260万円の贈与までが10%の課税でしたが、平成15年分からは310万円の贈与まで10%の適用が可能になったわけです。
 毎年の贈与は相続税の対策を考える上でも非常に有効な手段です。10%で動かせる金額が一人当たり年間で50万円増えたわけですから、今後も贈与の制度を有効に活用し、万が一の相続税に備えてください。

相続時精算課税制度とは?
 65歳以上の親から20歳以上の子供に財産を贈与した場合には、通常の贈与税(暦年課税分)との選択制により、相続時精算課税制度が適用できることとなりました。これにより、贈与時に2500万円までの贈与税が課税されることなく子供に財産を移転できることになりました。
 ただしこの税度は、相続税が課税されるような方については相続時に相続財産にプラスして相続税を計算することとなるため、選択には十分注意が必要です。また同様の制度で住宅を取得するための資金の贈与であれば3500万円までの贈与時の課税を免れることができます。この制度も適用条件が限定されますので、実行する際には必ずご相談ください。

申告書の様式が変わりました!
 以上の改正により、贈与税の申告書の様式が変わりました。今まで1枚だった用紙も、第一表「暦年課税分」と、第二表「相続時精算課税分」の2枚になったわけです。また、精算課税制度については「相続時精算課税選択届出書」や「相続時精算課税に係る財産を贈与した旨の確認書」、その他戸籍謄本、住民票などの提出も義務付けられています。(用紙についてはインターネット上の国税庁のホームページで確認することや印刷することが可能です。)
 特に平成15年度に精算課税制度による贈与を実行された方については、申告書は提出したが、届出書の提出を忘れた!ということがないよう、申告には十分ご注意ください。
 精算課税制度が認められず、2500万円について通常の贈与税が課税される(2500万円に対する暦年課税による通常の贈与税は970万円!)などとなったら大変ですから!

【贈与税率改正の具体例】
現金310万円を贈与した場合の贈与税
 平成14年分
   {310万円−110万円(基礎控除)}×15%−75,000円=225,000円
 平成15年分
   {310万円−110万円(基礎控除)}×10%=200,000円

=なお、上記の内容は2004/2/1現在の税法などに基づいて記述しています。=

『ほほえみだより20004年2月号掲載』