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前月号のテーマ「消費税」の続きですが、今月号は「簡易課税」を中心にお話しします。
消費税には、簡易課税と言う方法があると聞いたのですが?
事業の業種(農業、小売業、飲食業など)によって、課税売上高に一定の比率を掛けて、「みなし課税仕入高」と言うものを算出する方法です。一つ一つの支払取引が課税仕入に該当するかどうかを区別しなくても良いので手間が掛かりません。但し、基準期間(2年前)の課税売上高が5千万円(従来は2億円)以下でなくては、この簡易課税の方法は使えません。
簡易課税で、何か注意することがありますか?
一度この方法を選択してしまうと、2年間は変更できません。もしも、課税売上高が5千万円を越えてしまうと、たとえ簡易課税を選択していても原則(本則)課税の方法しか使えません。逆にその後、課税売上高が5千万円以下になると、再び簡易課税を使わなければなりません。また、新たに設備(建物・工場・事務所や機械・車両等)を購入する場合は、原則課税の方が還付(課税仕入高が課税売上高より多くなって税務署から消費税の戻りがあること)を受けられます。簡易課税の方は、課税売上高の50%〜90%までしか「みなし課税仕入高」が認められないので還付は生じません。なお、簡易課税を選択する場合は、その事業年度が始まる前日までに税務署に選択の申請書を提出しなければなりません。
簡易課税の業種にはどんなものがあるのでしょうか?
第1種から第5種まであります。第1種が卸売業、第2種が製造小売業を除く小売業、第3種が農業・建設業・製造(小売)業・電気ガス水道業等、第4種が飲食業・金融保険業および自己使用の固定資産の売却等、第5種が不動産業・運輸通信業および飲食業を除くサービス業です。業種別の「みなし課税仕入率」は、第1種から第5種まで、それぞれ90、80、70、60、50%です。 事業が複数の業種を行っている場合は、どうなるのでしょうか?
各課税売上高(税抜き、正確には課税売上高に係る消費税額)に、各みなし課税仕入率を掛けたものの合計です。但し、2種類以上の業種を営む事業者には以下の特例があります。1種類の業種の課税売上高が全体の75%以上を占める場合は、75%以上の業種のみなし課税仕入率を全部の業種の課税売上高に掛けることができます。また、3種類以上の業種を営む事業者には以下の特例があります。任意2種類の業種の課税売上高が合わせて75%以上を占める場合は、その2種類の業種の内、みなし課税仕入率の高い方はその率を一律に使います。なお、2種類以上の業種の売上高を区別していない場合は、低い方のみなし課税仕入率を使わなければならないことに注意が必要です。
具体的な数字を使って説明してみましょう。ある会社が、3種類の業務を営んでいるとします。第1種の課税売上高が7百万円・第3種の課税売上高が百万円・第5種の課税売上高が2百万円で全体の課税売上高が1千万円のケースです。先ず、1種類の業種の課税売上高が全体の75%を占めているかを見ます。第1種では70%にしかなりません。次に課税売上高の2種類の業種でみなし課税仕入率の高い組合せは、第1種と第3種ですね。合計の課税売上高が80%になります。従って、第1種の7百万円には90%のみなし課税仕入率を、残りの第3種と第5種には第3種の70%のみなし課税仕入率を各課税売上高に掛けることになります。
次回は、簡易課税を選択した方が得なケースをお話ししましょう。
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