昨年の12月15日に与党が決定した増税1兆6千億円規模と予想される「2005年(平成17)年度税制改正大綱」の内、私たちの生活に直結する改正案を、簡単にお話します。今後、国会において与野党間で議論されるであろう点も含まれていますので、テレビや新聞でニュースを見ているときの参考にしてください。
定率減税の縮小
定率減税とは、年間の個人所得課税の税額を一定の割合で一律に削減する減税方式のことです。単年度の特別減税とは異なり、税制を変更し将来にわたって減税するのが特徴とされてます。所得税は平成18年1月から割引率を20%から10%へ、上限を25万から12万5千円へ、また個人住民税は平成18年6月から割引率を15%から7.5%へ、上限を4万円から2万円へ、それぞれ半分にする案です。なお、減税の縮小・廃止の時期は、景気を改めて議論することになります。
個人住民税の引上げ
少子高齢時代をにらみ、税負担が働き盛り世代に集中する現行制度にメスが入ります。所得額によって課税される所得割りは、現行の年間所得が125万円以下で65歳以上の高齢者への優遇(非課税)措置を、平成18年から3年間で段階的に縮小して(納税額の3分の2、3分の1を減額)廃止する案です。また、年金生活者(夫婦)の課税最低限(現行245万円)を平成18年6月から3年間かけて20万円引き下げる案です。なお、所得に関係なく一定額を納める「均等割(4千円)」は、平成18年度以降に引き上げを議論することになります。
さらに、課税の公平を目指す一環で、フリーターなど短期間就労者への個人住民税の課税も強化します。就労期間が1年未満のフリーター(特に1月1日の時点で課税漏れの者)への徴税を強化し、企業に市町村への給与支払報告書の提出を義務付ける案です。
中古(既存)住宅ローン控除の拡大
個人負担の軽減策としては、住宅ローン残高の一定割合を所得税額から差し引く「住宅ローン減税」の適用要件緩和が盛り込まれました。経済が成熟化して新築需要が伸びにくくなる中で、中古でも良質な住宅の需要があるのに対応します。平成17年4月以降に入居した中古住宅であれば、築年数に関係なく最大年40万円の税額を所得税から差し引く住宅ローン減税を適用する案ですが、一定の耐震基準を満たしていることが条件です。タンス株の預入期限の延長
金融証券税制では、個人投資家が自宅などの保管する「タンス株」の特定口座への預入制度は、これまでの仕組みを一旦平成16年末で打ち切り、平成17年4月から新制度(株式が無価値化した場合に譲渡損とみなす措置等)の導入で再開し、平成21年5月末まで適用する案です。但し、株式の取得価格を明確に示すことが必要となります。
金融先物取引を申告分離課税へ
有価証券先物など先物取引との間で課税方式の均衡化を図るために、金利や為替先物利益への課税方式を、総合課税から分離課税へ変更し、平成18年から税率を20%とする案です。
検討課題
主なものとしては、消費税は平成19年度を目途に実施する抜本的な税制改革で引き上げを、また地球温暖化に対処するために環境税の導入の是非を、それぞれ検討します。なお、身近なところでは、税負担を低く抑えた「第3のビール」が登場したため、税制の全面的な見直しを今年末に議論することになっています。更に、個人の株式投資を促進するために、株式や預貯金などの税率を一本化する「金融一体課税」も検討します。
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