− Tax Seminor −

税理士 和田 造

『不動産の税務訴訟を考える』
別荘地評価の判断は?
ー 高裁判決
のポイントをつかむ! ー

 今月は、不動産を購入した者が、地方税課税上の評価額を争った裁判を紹介します。

事件の概要は?
 この事件は、控訴人(原告)であるAさんが、平成10年に取得した分譲別荘地に対する不動産取得税の課税評価額を、被控訴人(被告)であるB県知事と争ったものです。
 この土地は、C町長が固定資産税の課税台帳で雑種地として295万円と評価しているので、これを参考にしてB県知事は、地方税法および県条例により半額の147万円と評価して、不動産取得税の賦課決定を行いました。これに対してAさんは、不動産鑑定士の評価額である121万円を主張しました。

事件の争点は?
 本件の争点は、急傾斜地に在る購入別荘地に対する@不動産取得税の課税評価額に根拠が有るか?A不動産鑑定士の評価額が妥当であるか?の2点に絞られました。

裁判所の判断は?
 
「@不動産取得税の課税標準となるべき価格は、固定資産税台帳に登録されるに至った価格と同一になるべきものである。加えて、隣接する別荘地の取引事例がある。A不動産取得税の課税標準となる価格は、不動産の取得時において、正常な条件の下に成立する当該不動産の取引価格、すなわち客観的な交換価格をいうものと解する。不動産鑑定士の鑑定書に参照された取引事例は、国税局の売却事例や競売評価額であり、現況は山林・原野と断定し、眺望・景観において劣り、別荘として利用されている区画は皆無であると判断している点は、前提となる事実認定が誤っている。よって、控訴人の請求は理由が無いので棄却する。」として、Aさんが敗訴しました。

『ほほえみだより2006年12月号に掲載』