− Tax Seminor −

税理士 和田 造

「不動産の税務訴訟を考える」
収用の課税特例の判断は?
〜地裁判決のポイントをつかむ〜

 今月は、収用不動産の代替資産を購入した者が、地方税課税上の特例適用を争った裁判を紹介します。

事件の概要は?
 この事件は、原告であるAさんが、平成13年に取得した代替資産に対する不動産取得税の課税特例の適用を、被告であるB県税事務所長(B県知事)と争ったものです。
 Aさん所有の複数の土地は、国・県・市の道路整備事業のために収用されましたが、その後Aさんが代替資産の建物を購入した際に課せられた不動産取得税の課税特例を、B県税事務所長が一部の土地について認めなかったものです。B県税事務所長は2,418万円の不動産取得税の賦課決定処分を行いましたが、Aさんは課税特例を適用して、不動産取得税は2,350万円であると主張しました。

事件の争点は?
 本件の争点は、収用に伴う代替資産の課税特例の適用期間である2年間をめぐって、収用不動産の譲渡日がどの時点か?でした。

裁判所の判断は?
 『租税法規の用語については、定義規定の無いものについては、当該租税法規の趣旨、目的、前後関係等に照らして、一般社会通念に従い、経済的実質をも勘案して、解釈されるべきである。そして、本件特例における「譲渡」ないし「譲渡した日」について、地方税法に定義規定はない。』更に収用の意味や国税の優遇措置を引用して、『「収用等のあった日」とは、代金の支払・目的物の引渡し・登記等のいずれかが行われた日を起算日とする「引渡し基準」は、今日確立された取り扱いであり・・・』として、裁判所は原告Aさんの主張を全面的に認めました。

 

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『ほほえみだより2007年2月号に掲載』