− Tax Seminor −

税理士 中嶋 浩三

「消費税 基本中の基本」
消費税「課税売上」って何?
消費税の納税義務の判定 その@〜

 今月からこのコーナーを担当させていただくことになりました中嶋と申します。どうぞよろしくお願い致します。
 今回からは、主に個人事業者の方の消費税についてのお話をしたいと思います。

消費税の納税義務
 ご存知の事かとは思いますが、平成17年分から基準期間の課税売上高が1,000万円を超えた方は消費税の課税事業者となり、消費税を納めなければならなくなりました。ここで「基準期間」、「課税売上(高)」という言葉が出てきましたが、今回はまず、「課税売上」について説明したいと思います。

課税売上って何?
 消費税法では課税売上とは次の4つの要件全てを満たす取引をいいます。
@国内において行う取引であること。
A事業者が事業として行う取引であること。
B対価を得て行う取引であること。
C資産の譲渡、資産の貸付又は役務の提供であること。
 ただ、これだけでは分かりにくいので、個人事業者の方について所得の種類ごとに具体的な例を挙げながら説明していきたいと思います。

@事業所得

 事業所得に係る収入のほとんどが課税売上となります。ですから、八百屋さんや大工さん、ラーメン屋さんなどの商売をされている方の売上は、全て課税売上となります。農業を営んでいる方の農作物の販売収入も、当然課税売上となります。例外的に課税売上とならないものとしては、医師等の保険診療収入などが挙げられます。

A不動産所得
 不動産所得に係る収入については、課税売上になるものとならないものが混在しているので注意が必要です。
 まず、建物の賃貸料(権利金や礼金、更新料なども含まれます。)については、住宅の貸付に係るもの(アパートやマンションの賃貸料など)は課税売上とはならず、それ以外のもの(店舗や事務所の賃貸料など)が課税売上となります。
 次に、土地の賃貸料については、基本的に土地の貸付に係る地代は課税売上とはなりませんが、駐車場の貸付は課税売上となります。
 但し、先に説明をした課税売上とならない「住宅の貸付」や「駐車場以外の土地の貸付」の内でも、貸付期間が1ヶ月に満たないような単発の貸付の場合には課税売上となってしまいます。例え、同じものを貸付けていることによる収入であっても、貸付期間によって課税売上になったりならなかったりするものがあるので注意が必要です。

B譲渡所得
 譲渡所得に係る収入(資産の売却など)については、事業所得や不動産所得に係る業務に使用していた建物や機械、車両などの譲渡収入は、基本的に課税売上となります。
 例えば農業で使用していた軽トラックやトラクターなどの機械を売却した場合の収入が課税売上になります。また、車を購入する際に業務用で使用していた車を下取りしてもらった場合も、下取り価格で車を売却したことになるので課税売上となります。
 この譲渡所得については注意が必要です。なぜかというと、個人の確定申告では事業所得、不動産所得、譲渡所得などはそれぞれ別々に計算するので、消費税の計算をする場合に事業所得や不動産所得ばかりに気をとられ、譲渡所得の中に業務用資産の売却があったにもかかわらず、その売却収入を計算に入れ忘れてしまう可能性があるからです。また、業務用資産の中でも土地の売却については課税売上とはなりません。

お詫びと訂正

3月号のタイトルが違っていました。正しくは、「消費税の税務訴訟を考える」売上代金の受取人は誰か?地裁判決のポイントをつかむ!です。お詫びして訂正させていただきます。

 

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『ほほえみだより2007年4月号に掲載』