− Tax Seminor −

税理士 中嶋 浩三

「相続税 基本中の基本」
相続時精算課税制度 その2

〜 相続税の計算 J 

【制度の概要】
 今回は、前回説明をした「相続時精算課税」制度をどのような財産について活用するとメリットがあるのかについて説明していきたいと思います。

【将来の値上りが確実な財産】
 まずは、将来値上りすることが確実な財産についてです。
 通常、相続があった場合に相続税額を計算するときは、相続開始時の相続税評価額で相続財産の価額の計算をします。ところが、相続時精算課税による贈与をした場合には、その財産の贈与をした時の相続税評価額により相続財産の価額を計算することになっています。ですから、将来確実に値が上がる財産についてこの制度による贈与をすると、実際に相続が発生した時点で急激な値上りをしていたとしても、値上りをする前の低い贈与時の相続税評価額で相続税を計算することになります。例えば、区画整理前の土地を贈与するなどがあります。

【収益が上がる財産】
 次に、収益が上がっている財産についてです。
 相続税が課せられるような財産をお持ちの方が収益の上がっている財産を持っていると、その財産から上がった収益でその方の相続財産がさらに増えることになってしまします。そこで、その財産を、相続させようと思っている方に相続時精算課税制度による贈与をすると、その後の財産から得られる収益はその財産の贈与を受けた方(受贈者)のものになるので、その後の収益分について相続財産が増えるということがなくなります。例えば、アパートの建物のみを贈与するなどがあります。

【注意点】
 ここまでのメリットの一例を説明しましたが、この制度を利用した場合に不利になるケースもあります。この制度の利用を検討する場合には、専門家に相談されることをお勧め致します。

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『ほほえみだより2008年7月号に掲載』